ホテルマンは、多くの方の憧れの職業だと思います。
なぜなら、「人をもてなすスペシャリスト」だからです。
そんなホテルマンに憧れて、「ホテルマンに私は絶対になる!」と、考えている方が多くいると思います。
しかし、ホテルマンになりたい・憧れていると思っていても、
- 給料が安い
- 肉体労働
と、不安に感じるかと思います。
ただ、そんな職業はホテルマン以外にもたくさんあります。
さらに、一般的な情報は、ググれば誰でもみることができるので、もう少しリアルな声を聞いてみたい思うことでしょう。
今回は、そんなあなたに、現役ホテルマンの私が「本気でホテルマンをやめたほうがいいと思った瞬間9選」について、お伝えします。
この記事を読んで「それでも私はホテルマンになりたい!」と思えるかなら、きっとツラいことがや不安なことがあっても頑張れるはずです!
なので、この体験談が参考なれば幸いです。
どうぞ最後までお付き合いください。
では、いきましょう!
✅本記事の内容
- ホテルマンをやめたいと思った瞬間9選
- なぜ私が10年も続けてこれたのか
- 好きな仕事で働くために必要なこと
✅本記事の信頼性
☑️某リゾートの現役ホテルマン
(10年以上の実績)
☑️30代でサイドFIREを目指す
(サイドFIREでスローライフ)
☑️副業0→1で月収5桁達成
「やめたほうがいい」と思った瞬間9選
結論からいうと、次の9つです。
- 陰で悪口を言われていた
- 上司がすぐキレる人だった
- 労働基準はあるようでない
- 異動がよくあった
- レストラン研修で脅された
- 総支配人が頼りない
- スタッフが足りないのに予約が増える
- 休みが取りずらい
順番に解説します。
陰で悪口を言われていた
入社当初の話ですが、右も左も分からない日が1週間ほど続きました。
というのも、私は途中入社だったこともあり、しっかりとした研修がなかったのです。
実際の現場では、さわりだけ教えてもらうものの、あとは「やりながら覚える」感じでした。
なので、緊張が先行して自分から行動することを、ためらっていたことを覚えています😅
そんな頃、裏の休憩室で「あの子使えない」と先輩スタッフが陰口を言っていたのを、同じ職場の、女性のスタッフが教えてくれました。
「中立な方もいるんだな」と、安心しました。
ただ、陰口を言っている先輩スタッフには、陰口を言う前に「仕事をちゃんと教えてくれー!」と、怒りを感じたこともありました。
しかし、このままだと環境は変わらないと思い、見よう見まねで積極的に動いて仕事を覚え、なんとか乗り切った感じです。
おかげで、1ヶ月で5㌔ほど痩せましたw
仕事ができるようになってからは、陰口はほとんどなくなったので、「自分の行動1つで環境は変えれるんだなー」と感じました😊
上司がすぐキレる人だった
仕事が慣れてきた頃、最悪にも私の上司になった人が、「すぐキレるタイプ」の人でした。
普段は、話やすく気軽にプライベートの話や冗談をいい合えるんですが、仕事モードに入ると手がつけられません。
「仕事になると性格が変わる」という人がいますが、その典型的なタイプだと思います😅
また、失敗に対してめちゃくちゃ怒られるので、どうしようもない状況がよくありました。
しかし、失敗したことより「この後どうするか?」にフォーカスする上司が現れたので、仕事に対する前向きさを取り戻せました。
失敗したことに対してばかり怒る上司は、要注意です!
労働基準がゆるい
ホテル業の労働基準は、結構ゆるいです。
なので、生活リズムや労働時間はめちゃくちゃになりやすいです。
たとえば、
- 朝晩遅番が入れ替わる
- 月80時間の残業は問題なし(毎日4時間以上残業)
- 月またぎの連勤はOK
こんな感じです。
この中でも、分かりにくいのは「月またぎ」でしょうか。
簡単に解説すると、月またぎとは、月をまたいで休日を設定するときに、6回以上連続で勤務可能にできる休日の設定が仕組みです。
要するに、スタッフが足りない日に、人員を確保するための「ホテル業の裏技」です。
特に、年末年始は人がスタッフが足りなくなることが多いので、年末年始にこの裏技をよく使われていました😅
ちょっとわかりづらいと思うんですが、たとえば、下の画像の1月31日を休日とした場合、次の休みを2月13日にできます。
(※赤の丸は気にしないでください)
つまり、12日間連続で勤務することになるのです。
昔のホテル業は、月の日数に関係なく月8回が休日と決まっていて、さらに、週に1回休日を入れておけば、残りの4回の休日はどこに入れてもよかったんです。
月の中でも12回連続で出勤にされそうですが、月またぎだけが12勤務OKという謎の仕組み・・・。
ただ、今では、ホテル業も週休2日制になったので、この裏技は使えなくなったので安心してくださいw
異動がよくあった
なにかと理由をつけて、異動させられていました。
たとえば、私の移動先は、
- 北海道
- 福島
- 静岡
- 沖縄
こんな感じです。
ビジネスマンにとって異動は当たり前ですが、異動しない前提でホテル業に入ったので、最初はとても抵抗がありました。
ただ、異動も慣れると、
- タダで地方に行ける
- タダで住める
といった、メリットがあったので、仕事が慣れてきた頃にはなんだかんだ観光を楽しんでいました。
また、それぞれの施設で規模が違ったり、コンセプトが違ったのでとても勉強になりました。
しかし、ふと、将来家族ができたことを考えると「異動していては家族と一緒に過ごせない」と思い、異動がないような会社に転職しようか迷う時期がありました。
今は、子どもがまだ小さいので、子ども優先で休みが取れたりしていますが、もし子どもが大きくなったら「異動させられるかも」と、今でも不安はあります。
将来のことを考えると、ホテルマンは不向きな職業かもしれません😅
上司は基本クセだらけ
ホテル業は、肉体的にも精神的にも過酷な職業ですが、その環境の中でもキャリアを目指すということは、想像以上に大変なことです。
なので、その分クセがある人も多いです。
なぜなら、普通の感覚だとキャリアを目指すには、過酷で心が折れやすいからです。
そんなクセのある(心が強いw?)人の特徴は、たとえば、
- すぐキレる
- 自慢話をしてくる
- 自分の失敗を他の人のせいにする
- その日の気分で性格が変わる
- 自分はすごい感を出す
- 人の話を聞かない
10年間で、こんな感じの方がいました。
ただ、そんなクセのある人たちは、10年経った今では、ほとんどの人が会社からいなくなりました😊
長く勤めると、いいこともあるもんですねw
おかげで、だいぶ働きやすい環境になっています!
レストラン研修で脅された
レストランを1から立ち上げるプロジェクトが、1週間ほどにわたって行われた時期がありました。
そのプロジェクトを仕切っていた人が、まさに「ヤクザの若旦那」みたいな方でした^^;
口グセが、
- 「走れー!」
- 「私語はするなー!」
- 「やる気がないなら殺すぞ!」
と、脅されていました・・。
怒鳴られることに免疫がない若いスタッフは、プロジェクトが終わったあとすぐにやめていきました。
そんな状況を知りつつも、3年ほどはそのヤクザの若旦那が、定期的に様子を見にきていたので、その度にお腹が痛くなっていました。
そんなこんなで、パワハラ問題になり、今では出禁になったようですが・・w
人を下に見るような態度をとる人は、どの業界もいずれ消えていくものです。
総支配人が頼りない
総支配人も、立候補制度によって決められます。
つまり、やる気さえあれば、「誰でも総支配人になれる業界」なのです。
ただ、リスクもあります。
なぜかというと、若い年代の人がなることもあるからです。
若い人でも、仕事ができればいいのですが、そううまくはいきません。
私のホテルでは、2022年4月現在も、若いスタッフが総支配人を任されています。
若い総支配人の、特徴としては、
- 自分の意見が正しいと思い込む
- 他の意見を聞かない
つまり、権力を持って、天狗になってしまう傾向があるのです。
たとえば、宝くじが当たって、いつも通りの思考や行動ができなくなってしまうのと、似ているかもしれません。
ただ、有能な人材が不足しているのも事実。
コロナ禍とはいえ、観光業は巨大産業の1つなので、これからも拡大をしていくでしょう。
そうなると、さらに人材が不足するはずです。
特に、星野リゾートは国内のみならず、国外にもどんどん規模を拡大しています。
つまり、総支配人になるハードルは、思っているよりも高くないはず!
なので、やる気さえあれば、誰でも総支配人になれるチャンスがあるともいえるでしょう。
決して、ホテルの総支配人になることが簡単だとは思いませんが、チャンスを掴むことも実力のうちだと思います。
チャンスを掴みたい方・キャリアを積みたい方にとっては「立候補制度のあるホテルを選ぶこと」を、おすすめします😄
スタッフが足りないのに予約が増える
いまだに現場の負担を考えず、利益だけを求めて運営されています。
というのも、あきらかに長時間の残業になる・人がいないという状況でも、「予約が優先」される現状なのです。
たしかに、運営側の立場からすると、利益を求めるのは当たり前のことです。
しかし、持続可能な運営をするには、働きやすい環境にしなければならないはずです。
どんなに、福利厚生や働き方が変わっても、現場優先で考えてくれないのであれば、昔も今もこれからも、仕事の大変さはほとんど変わらないでしょう。
でなければ、過酷な労働環境の中で、
- ホテル業を嫌う人が増える
- ホテルスタッフが不足する
- ホテルの運営ができなくなる
といった、悪循環もありえると思います。
最近では、持続可能な発展(サステナブル)が注目されています。
持続可能な観光業を目指すなら、ホテルの課題と1つとして、現場のスタッフの労働環境が課題だと感じています。
それくらい、現場のスタッフは、駒として扱われることが多いです😅
休みが取りずらい
土日祝日・長期休みに忙しいのがホテルです。
最近では、平日にも分散できるように働きかけをしているようですが、まだまだ先の話だと思います。
何が言いたいかというと、休日に忙しいホテルにとっては、「一般の休日に休みをとってほしくない」ということです。
つまり、子どもがいる家庭は、ホテル側からするとやっかいな存在なのです。
今でも、一般の休日にスタッフが足りない場合は「出て来られる?」と相談されます😅
安定した休日が取れないのは、結構なストレスになります・・。
ホテルを続けられたコツとは?
まだまだ、やめたいと思った瞬間はあったと思うのですが、ひとまずこんな感じです!
ここで、多くの皆さんは、やめたいと思った瞬間がたくさんあるのに、
なんで10年も続けてこられてんだろう?
と、ちょっと不思議に思うかもしれません。
私自身も、「よくやめなかったな」と不思議に思いますw
ホテルの働き方や環境にいろいろ悩まされてきましたが、「続けられたコツ」みたいなのがあったので、次でお話しします。
もともとポジティブな性格だった
やめたいと思ったことがあっても、いつもポジティブに考えて乗り切ってきた経験があります。
たとえば、上記のいくつかの項目でいうと、
- 陰口いう人は、話す話題がないのかな
- 上司が怒っている時は、関わらないようにしよう
- 長時間労働で、さまざまなスキルが学べるな
- 異動は、視野を広げるいい機会だな
こんな感じです。
もし、否定的に物事を考える性格だったら、最初入った時点でやめていたと思います。
といいつつ、過酷な労働の中で、本当にツラかったですけどね😅
ありのままを受け入れていた
過酷な労働を強いられていた頃は、この考え方を知らなかったのですが、ある考えがやめないために「1番重要だ」と、感じた心理学があります。
それは、アドラー心理学です。
アドラー心理学では、ありのままの自分を受け入れる、というのが根底にある心理学です。
そうするとことで、「自己受容」や「自己肯定感」を高める効果があるといわれています。
自己受容を高めると、どんないいことがあるかというと、最大のメリットは「悩みが軽減」されることです。
この考え方を理解するには、時間がかかると本書でも書かれていますが、幼少期から何も考えずにやってきたことだと気づき、当たり前のようで当たり前じゃない思考だと知りました。
たしかに、「ありのままの自分を受け入れると心が軽くなる」と、人生の中でも実感しています。
もし、この考え方に興味のある方は、こちらの本を読んでみてください。
年齢を重ねるごとに働きやすい環境になる
ホテルマンは、入れ替わりが激しい業種です。
なぜなら、何度もお話ししている通り、「過酷な労働環境だから」です。
その中でも、若者が離職する割合が、他の業種に比べて最も高いです。
つまり、ホテルを安定して運営するためには、若いスタッフを早く一人前に育てる必要があります。
そのためには、早い段階で責任ある仕事を、若いスタッフに任せるようになるのです。
要するに、経験を積んだスタッフは、現場で責任ある仕事というよりは、マネジメント側に立ち、スタッフ間のコミュニケーションが多くなる傾向があります。
さらに、イレギュラーの対応も、慣れてきた若いスタッフに任せる機会も多くなります。
ただ、若いスタッフで対応できないことは、それなりの責任と対応をしなければいけません。
しかし、それ以外は、マネジメント側で自分のやりたい仕事をやれるようにもなります。
なので、最初の数年は大変な時期だと思いますが、時間が経てば誰でも「経験」・「スキル」が身につくので、ホテルマンとして働くには「中長期的に仕事をする視点」が、大事になってきます。
まとめ
ここまで、ホテルマンの「体験談」と「続けてこれたコツ」についてお話ししました。
ホテルマンとして働く未来が、少しでも想像できたでしょうか?
最後に、もう1つ重要なことがあります。
それは、ホテルマンを目指すために重要なのが、「理想と現実のギャップを埋めること」です。
なぜなら、特に若いスタッフになるんですが、仕事の理想と現実の「ギャップの大きさ」で悩んでしまい、1年以内でやめてしまうことが多いからです。
たとえば、ホテルの仕事の理想は、
- お客さまをもてなす
- 最高のサービスをする
- 笑顔になってもらう
すごく華やかなイメージがすると思います。
一方、ホテルの仕事の現実は、
- クレーム対応
- 雑務
- 不規則な生活
と、肉体的に重労働です。
このギャップを知らないと、「こんな仕事をしたかったわけじゃないのにっ!」
と、やめたい願望が大きくなるいっぽうです。
なので、まずは理想と現実のギャップを知った上で、「それでも頑張りたい!」と思えたなら、おそらく本当にホテルマンになりたいと心から思っている証拠だと思います😊
転職するのが当たり前になってきている時代ですが、せっかく憧れてホテルマンになるのであれが、できるだけ長く勤めて、多くの人を笑顔にしてほしいと思います!
一緒に憧れの職業といわれるように、頑張りましょう!
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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